北川 正恭 氏

早稲田大学大学院公共経営研究科教授・前三重県知事  2008.03.08

北京の蝶々
      ~改革は内にあり~

北川正恭(きたがわ・まさやす)氏の略歴

1944年生まれ。
1967年早稲田大学第一商学部卒業。
1972年三重県議会議員当選(3期連続)、1983年衆議院議員当選(4期連続)。任期中、文部政務次官を務める。
1995年三重県知事当選(2期連続)。「生活者起点」を掲げ、ゼロベースで事業を評価し、改革を進める「事業評価システム」や   情報公開を積極的に進め、地方分権の旗手として活動。達成目標、手段、財源を住民に約束する「マニフェスト」を提言。   2期務める。
2003年4月に退任。早稲田大学大学院公共経営研究科教授、「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)代表等を      現任。

著書に『生活者起点の「行政革命」』(ぎょうせい)等がある。







講演レポート
北京の蝶々 ~改革は内にあり~
早稲田大学大学院公共経営研究科教授・前三重県知事
北川 正恭 氏
ご意見  【講師・参加者】
講師のコメント (北川正恭)
第14回ねっと99夢フォーラム 講師の感想文
  早稲田大学大学院公共経営研究科教授 北川正恭
 鬼の霍乱と言いましょうか、日ごろから病気とは縁がなかった私が、昨日とつぜん風邪をひいてしまい38.5度の高熱にうなされ、先ほどまで自宅で臥せっていました。この「山武郡市合同講演会・ねっと99夢フォーラム」のお約束だけは果たさなければと思い、前後のスケジュールはすべてキャンセルして、こちらへまいりました。
 それにしても民と官のコラボレーションとは頼もしいですね。全国初の試みではないでしょうか。東金市と山武市の市長さんも休日なのにごくろうさまです。
 今日の講演は体調がすぐれず満足のいくものではなかったですが、みなさんにご静聴いただき、質問もたくさん出て、何とか役目を果たすことができたと安堵しています。
 この講演会が山武・九十九里地域に灯を点け、それがやがて全国に広がっていくことを期待しています。(談)
参加者のアンケートより
回収アンケート数 68枚
とてもよかった 50人  よかった 13人  まあまあ 3人 未回答 2人     ・・・合計68人
◎行政の役割について再度考えさせられた。
◎バタフライエフェクトの一員になります。
◎行政に依存してばかりの住民の集まりでは地域を良くできない、今後、自分がこの地域に対し何ができるのかを考え行動したい。
◎一人の力は小さくても、たくさんの人が力を合わせることで変えることができる。「ひとりは皆のために、皆はひとりのために」という言葉が印象的でした。
◎事後検証可能なマニフェストを自分でもつくり、明日から一歩踏み出そうというエネルギーをもらいました。
◎県立病院の黒字化の話は、県政を司る人に是非聞いてもらいたい。講演内容すべてが自分のプラスになった。
◎行政の人間としてとても勉強になった。行政と市民のコラボレーション、私たちも市民の方に向けたサービスを市民と一緒に考えて行きたいと思った。
◎「行政の市民化」という言葉を良く考え、仕事の姿勢を見直すべきだと感じた。
◎一人ひとりが蝶となり、九十九里地区に大きな輪を作りたい。
◎行政を経営するという北川先生の意見に深い感銘を受けた。
◎本日の講演を機に、現在一生懸命仕事をしている若手社員がキーパーソンになると確信しました。若手社員にも本日の講演を聞かせたかった。
参加者の声
北川正恭氏講演会の感想文
「政治家も役人も納税者も洗濯を」に共感
  元大網白里町議会議員 大村敏也
「ねっと99夢フォーラム」と山武・長生郡6市町主催の北川正恭氏の講演会に参加。参加者は250名ほど。99夢フォーラム代表の野老真理子さんの司会進行で行われた。北川正恭氏は風邪で38度の高熱をおしての講演で大変だったことと思われます。就任間もない三重県知事時代に大手電気メーカーが液晶画像製造工場誘致の時、丁重に反対する副知事、出納長を説得して税金から90億円をその企業に拠出した。これが契機でかつての日本を代表する公害の重化学工業地帯・四日市市の産業構造を変えていったこと。90億円は寄贈ではなく「投資」である。リスキィーな出費を検証するなめに何度も東北大の西澤潤一教授の教えをいただいたとのこと。
 日本は先進国の中で700兆円もの未曾有の借金を作ってしまったのは国民にも大いに責任があること。坂本竜馬の姉さんが竜馬に送った手紙に日本を洗濯してくださいとの話にちなんで北川さんは「地域・生活者起点で日本を洗濯(選択)する国民連合」国会議員らを主体に立ち上げ、政治家も役人も納税者も洗濯しなければならないことなどを、面白く話された。地方自治体も個人も依頼心をすてて自分たちの考えで創意工夫することの重要性を説かれた。5つの県立病院を極めて短い期間に黒字化された(機器の導入、海外視察など院長の要望をどんどん聞き入れた)。山武市の参加者からのこのことについて質問が出されたが時間が無く、そのあたりをもう少しお聞きしたかった。
 講演中に急病人が出て5分ほど中断するハプニングあったが野老さんの機転、居合わせた成東病院の篠原医師、椎名市長さんらの連携で見事に危機を制された。
 印象深い講演会でした。
        (「千葉市との合併を目指す会」掲示板より)