澤谷 みち子 氏

全日本空輸㈱CS推進室CS企画部  2007.10.06

『あんしん、あったか、あかるく元気!
~人が織りなすANAブランド~

今回のゲストは、全日本空輸株式会社(ANA)CS推進室CS企画部
主席部員の澤谷みち子氏です。ANAは、「あんしん、あったか、あか
るく元気!」なサービ大の提供によって、アジアNo.1の顧客満足を目指
しています。当日は、ANAが目指すブランド「ANAらしさ」を、戦
略とその展開、商品サービスの改善、マインドの啓発など、現在取り組
み中の具体的な事例を基に分かりやすく説明していただきます。
なお1963年、1人の機長の発案で特別機が、「大空を飛んでみたい」
という夢を持っていた宮城県の養護学校の生徒を索せて仙台上空を旋回
しました。この「麻田フライト」の存在は、社内でも長く封印されてい
たのを、43年ぶりに「麻田’sメモリアルフライト」として蘇らせたのが、
澤苓さんはじめCS推進室と全国のANAボランティアスタッフのみな
さんでした。「子供たちに大空をプレゼントしたい!」という気持ちは、
時空を超えてANAのDNAなのかもしれません。
澤谷さんから、ANAの「サービスの神髄」に触れる機会を設けまし
た。

<Profile>
全日本本空輸株式会社CS推進室CS企画部 主席部員
1972年、全日本空輸㈱に入社。
千歳空港支店グランドホステス、ステーションコントロール部等を経て、
2002年4月より、CS推進室 CS企画部創設に伴い、現職に赴任。
”「お客様の声」に徹底してこだわる”組織づくりの具現化を担い、
ANAグループ全体のブランド戦略並びにCS向上に取り組むとともに
StarAlliance全体の顧客満足度向上活動にも参画。





講演レポート
あんしん、あったか、あかるく元気!
全日本空輸㈱CS推進室CS企画部
澤谷 みち子 氏 
ご意見  【講師・参加者】
講師のコメント (澤谷みち子)
あんしん、あったか、あかるく元気!
全日本空輸株式会社
CS推進室CS企画部
澤谷 みち子
 大網白里町、どんなイメージの町なんだろう。北海道生まれの私にとって全くの白紙で今回のセミナーをお受けしました。終わっての印象はぜひこのフォーラムを99回続けてほしいと強く思っています。
 とりわけ色々と準備いただいた土屋様、野老(ところ)様等事務局の皆様、心温まるおもてなし(講演前にいただいたさつまいも美味しかったです)に感謝しています。"よさこい"での歓迎もふるさと札幌を思い出し懐かしい想いがいっぱいでした。有り難うございました。
 お客様の声に真摯に耳を傾けること、スタッフのみんなの声を大切にすること、一つ一つは大変地味な活動ですが、このことをCSという活動を通じて実現していきたいというのが弊社の想いです。人と人との輪が信頼と愛で繋がる、それは会社や行政等、どの様な組織であっても最も基本的な要件だと思います。情報や知識はインターネットや様々な技術革新で驚くような進歩を遂げていますが、人の心をあたたかくする、「こころ」に繋がる活動を愚直に続けていきます。
参加者の感想 (中島セイジ)
澤谷みち子が語るANAブランドづくり
    クオーターバック社長 中島セイジ
先日、千葉県は大綱白里町で、
第9回目のねっと99夢フォーラが開催された。
九十九里地区なので99らしいが…それはともかく。
このフォーラムはまちづくりのための勉強の場として設けられ、
毎月各界のオピニオンリーダーを招いて
講演会を実施しているイベントだ。
今回の講師であるANAの澤谷みち子氏は、
2002年より単身で札幌から東京へ転勤したのをきっかけに、
ANAのCS(カスタマーサティスファクション)の領域を
舞台に活躍するようになった。
CS、つまり高い顧客満足へ向けた
さまざまな施策を考え、実行することが彼女の仕事だ。
「あんしん、あったか、あかるく元気!」のスローガン
(確かに聞いた覚えが…)を掲げ、
“ひまわりのように”働くことをモットーに、
ANAブランドづくりを推進してきた澤谷氏。
確かな結果を残してきたからか、
その語り口調には自信がうかがえた。
そんな説得力ある話が、
さらに多くの人の支持を集める理由になっているのかも。
講演の中で印象に残ったのが、
「上からではなく下から」という話。
上層部が考え、決めたことを部下に指示するのではなく、
現場にいるスタッフが目の前の現実に即した企画を立て、
上に提案するのだ。
こうすることで、各地域で現地に密着した
キャンペーンや施策をうつことができ、
高い顧客満足へつなげることができる。
また、自分たちで考えたことを実行できるため、
モチベーションも上がり、
ES(エンプロイメントサティスファクション=従業員満足)
にも貢献ができるということのようだ。
ほか、「Good jobカード」なるものをつくり、
いい仕事の“評価”として配布するなど、
“CSのためのES”を念頭においた施策も。
本当の意味での顧客満足は、
それを提供する側の従業員満足があって初めて
達成することなのだ。
さらには、
「麻田機長とベッドスクール」の話もまた然り。
それは、1963年に麻田機長の発案で、
「大空を飛んでみたい」という養護学校の生徒の夢を叶えるべく、
特別機を仙台上空へ飛行させた話だ。
生徒と夢を乗せた飛行機が旋回したその事実は、
長い間社内で“封印”されていたそうだが、
それを蘇らせ、ふたたび実現させたのが
澤谷氏をはじめとするANAボランティアスタッフの存在なのである。
そうした、多くの人の心に作用する(情動力)展開を
感動的に実行するのが“ANAブランド”。
お客様の満足のためにさまざまな取り組みを行ってきた積み重ねが、
今日の同業他社との差をつくりだしているように思う。
これは航空会社に限った話ではない。
すべての会社に言えることなのだ。
 (「いま、選ばれるビジネス 
             中島セイジのビジネスの達人」より)
参加者のアンケートより