川口 淳一郎 氏
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所
シニアフェロー・教授
小惑星探査機「はやぶさ」は、小惑星のサンプルを地球に持ち帰る「サンプルリターン」の技術実証を主目的とした工学実験探査機です。
「はやぶさ」は、2010年6月13日、60億キロメートルの旅の末、地球帰還を果たしました。しかし、その前年11月、すべてのイオンエンジンの寿命が尽き、地球帰還を目前に運用停止に追い込まれた後、奇跡的にエンジンが復活し、人類初の快挙、サンプル回収に成功したのです。
この「はやぶさ」プロジェクトをゼロから進めてきた川口淳一郎教授は「大気再突入で燃え尽きてしまう運命であるにもかかわらず、どうして君は、これほどまでに指令に応えてくれるのか」と独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)のホームページにメッセージを綴りました。
日本の宇宙開発の歴史を変えた、前人未到のプロジェクトの全容を、川口教授に明らかにしていただきます。
- 講師の略歴
- 川口 淳一郎
- Kawaguchi Junichiro
- 1955年青森県生まれ。京都大学工学部卒業後、東京大学大学院工学系研究科航空学専攻博士課程を修了し、旧文部省宇宙科学研究所に助手として着任、2000年教授就任。2007年4月から2011年9月まで月惑星探査プログラムグループプログラムディレクタ、1996年から2011年9月まで「はやぶさ」プロジェクトマネージャを務める。現在、独立行政法人宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所宇宙飛翔工学研究系教授、2011年8月よりシニアフェローを務める。著書『はやぶさ、そうしてまで君は』(宝島社)等。