奥田 良子 氏

ESPERANZA フルート・オカリナ奏者

 フジテレビ「奇跡体験アンビリーバボー」に、『愛という名の奇跡』という番組が放映されました(2001年7月)。
フルーティストとして将来を嘱望されながら、海外に羽ばたく直前に難病「クローン病」(厚生労働省難病指定)を発症し演奏活動を断念、数年間の閉じこもりを含む7年間のブランクを乗り越え、ステージ復帰を果たした奥田良子氏の物語です。
 その奇跡ともいえる復活を可能にしたのは、「もう一度がんばれ」という周囲の人の励ましでした。
 その後、心身を支え続けた夫、勝彦氏と「ESPERANZA」を結成し、コンサートを通して、「エスペランサ」“夢と希望”そして、“勇気”を送り続けています。
 50回記念の会場は、良子氏の迫真のトークと、勝彦氏との生きる喜びにあふれる共演で、温かくも深い感動に包まれました。



聴く人を元気にしてしまうトーク

トーク中も勝彦氏が傍らで優しくベースを爪弾きます



素朴でやさしいオカリナ

暫し聴き入ってしまいます





珍しい竹製のオカリナ

凛としたフルート

質疑応答の様子

とにかく温かい空気に包まれております

なんともすてきなお二人の笑顔!

終了後、会場からは自然と温かい拍手が





会場内には歴代ゲストの記録を展示



世話人達による
入り乱れトークセッション
過去のあんな話やこんな話も
左から土屋、水島、野老

大里合唱団の飛び入り歌唱
息の合った手話で「君を乗せて」を披露




唯一!50回全てに参加している大野英雄氏には
ねっと99より皆勤賞と記念品を贈呈。
大野英雄氏

これまでのねっと99を裏方として
支えてきた冨満氏と吉岡氏には
感謝状と記念品が贈られた。

音響と言えばこの人!
いつも一番最初に会場入り
冨満卓哉氏




映像記録の吉岡誠氏
全99回終了後の記録映画作りにも
意欲を燃やすこだわりカメラマン


大里綜合管理からは中村が
ウィットに富む謝辞を述べ
会場は完全に爆笑に包まれた

講師のコメント

会場の反応に支えられた講演会
 「ねっと99夢フォーラム」の記念すべき第50回に、私たちをお招きいただいたこと、心から感謝いたします。


ESPERANZA 奥田良子&奥田勝彦


 私たちがトークコンサートをはじめたのは10年ほど前。その頃は毎回「できることなら今すぐ帰りたい」と思うくらい緊張していました。さすがに何年も続けているとずいぶん緊張慣れしてきましたが、10年経った今でも当日までどうしようどうしようと悩んでいます。
 もちろん今回もそうでした。今までに講演会を49回も聴いてこられた方たちの前でお話しをするということ・・「大丈夫かな・・」と、正直、少し緊張しながら大綱へ向かったのです。それが、大綱へ着いてからのスタッフ皆さまの温かい気配りのおかげで、どんどん緊張がほぐれてきて、一番良い状態で本番を迎えることができました。ありがとうございます。

 そして、何より驚いたのは会場の皆さまの反応です。私たちの一言一言をしっかりと受け止めてくださっていることが伝わってくるのです。笑ってもらえればいいなと思っている箇所でしっかり笑っていただき、聞いてほしいと思うところでは真剣な眼差しで見つめてくださいました。

 あのひとときを通して、私はまた大切なことに気づきました。
 講演会(私たちはコンサート風ですが)は、話し手からの一方通行ではなく、聞き手の皆さまの力があってこそ成功するのだということに。
 大綱の皆さまに支えられての第50回ねっと99夢フォーラム。私たちにとって忘れられない一日となりました。本当にありがとうございました。

 最後になりましたが、スタッフ皆さまには大変お世話になりました。美味しい記憶もしっかり残っています。ありがとうございました。またいつの日かお会いできますように。

参加者の声

一番大切な人の一言が「愛という名の奇跡」を生む

おりかさ整体 折笠文則



 私は2つの思い違いをしていた。まずパンフレットの写真と難病を克服したという事実から「もの静かな女性」をイメージしたのだ。だが写真と実物は全然違い、それは良い意味で裏切られた。実際の奥田さんは話し声こそささやくような感じだが、その巧みな話術は瞬く間に見る人聴く人の心をつかんで離さない。私はまるで母親のおとぎ話を聞いている子供のように時を忘れてしまった。
 もうひとつは「エスペランサ」の講演スタイルを知らなかったために「フルート=クラシック」と思っていたことだ。一曲目の「情熱大陸」は逆境を乗り越えた奥田さんのイメージにぴったりだったし、ゴンチチの「放課後の音楽室」は弦楽器の曲をフルートで見事に表現したものだった。なお、曲の選定について彼女はこう語っている。

 『私はメロディーがきれいな曲を選んでいます。するとなぜか歌詞も素敵なものであることが多いんです。』

 「また君に恋してる」「見上げてごらん夜の星を」・・・確かにそうだった。
 講演の前半で彼女は会場の人たちにこう問いかけた。
 
 『あなたにとって一番の大切な出会いは誰ですか?』

 この問いに私は自分の過去を振り返ってみた。やはり今一番身近な存在が頭をよぎった。彼女にとっての「一番の出会い」もやはり横でベースを弾いている夫・勝彦氏だった。そのあと彼女が言った言葉が心に響いた。

 『今を一緒に生きて同じ未来を見ているから』

 人生の途中でそんな存在を見つけられたら、人は自分が生まれてきた意味を実感できるだろうと思った。
 治療法がない、一生治らない、でも死なない病気。そんなものがいきなり自分の人生に立ちはだかったとき、人は何ができるだろうか?おそらく次の一歩がなかなか踏み出せないに違いない。だが、

 『不幸は不幸を呼ぶ。幸せは幸せを呼ぶ。私は毎日小さな3つの幸せを探し始めた』

 彼女は歩き始めた。そんな彼女に追い打ちをかけるように今度は足の病気が襲う。苦難を克服しかけた人に神はなんとひどい仕打ちをするのだろうと思ったが、そこで彼女にとって「一番大切な人」の一言に救われるのである。

 『手じゃなくてよかった。車いすは僕が押してあげる。君はすわったままフルートを吹き続ければいい』

 感動した。思わず涙がこぼれそうになった。人の愛はここまで大きくなれるものなのだろうか・・
 ここまできて「愛という名の奇跡」の意味がようやくわかった。ねっと99の講師には逆境を跳ね返したプラスのエネルギーを持っている方が多くいるが、奥田さんの場合、勝彦さんを始め、多くの人の想いが良子さんの横にいて彼女をやさしく包んでいる、講演終了時に私にはそう見えた。

略歴
奥田良子(おくだりょうこ)氏
兵庫県神戸市生まれ。大阪音楽大学音楽学部器楽科フルート専攻入学。在学中「厚生労働省指定難病クローン病」を発病。フランス留学断念。大阪音楽大学卒業後、フルートアンサンブルエリオメンバー抜擢、オペラハウス管弦楽団オーディション合格するなど将来を期待されるが、病気の悪化により演奏活動を断念。7年間のブランクを経て、社会復帰とともに音楽活動を再開。現在は夫である奥田勝彦氏とユニットバンド「エスペランサ」を結成。その活動は各メディアで紹介されている。